最初は、「他人の商品」を売ってもOK!010

商品の種類がイメージできたら、具体的に商品作りについて考えていきましょう。商品には、「自分の商品」と「他人の商品」と「コラボ商品」がありますが、中でも、自分の商品は「ひとりビジネス」 の基本です。


たとえば、手先が器用な人なら自分で小物を作ったり、洋服を作ったりすることが可能です。自分の経験や知識を文章や音声・動向にまとめることができれば、それも自分の商品になります。会社でこれまで何百と企画書を作ってきた人なら、企画書作成のノウハウをわかりやすく文章化できれば、それが自分の商品になります。


ただし、オリジナル商品にこだわる必要はありません! 巷のコンサルタントが、したり顔で声高に叫ぶUSP(ユニーク・セリング・プロポジション。独自の売り)という尊専門用語に惑わされないことです。


「商品は、とにかく独創性を持ったものでなければならない」「いいオリジナル商品ができたら、ひとりビジネスを始めることにしよう」


このUSPの呪縛から抜け出せないと、商品の種類が極端に少なくなるだけでなく、いつまでたっても一歩を踏み出せないまま、勉強だけをし続けることになりかねません。自分で作ることができなければ、他人の商品を売ってもいいのです。自分でゼロから商品を作るより、比較的ラクに、すぐにスタートできるはずです。


 たとえば、もしあなたが料理上手なら、これまで試してきた食材やキッチンツールの中からオススメのものを販売する。もしあなたが文房具に詳しいならば、オススメの文房具を使い方といっしょに紹介して販売するといったことも可能です。


ひとり具体例をあげましょう。


岐阜県の田中美帆さんは出産・子育てを機に、子どもが安心して食べたり、使ったりできる商品を自分で試しては、周りの人に紹介していました。ナチュラル生活や料理を紹介したブログが人気となり、全国にファンが広がったのをきっかけに、オンラインショップ(「ハッピーナチュラル」http://www.happynatural.jp/)をスタート。美帆さんのサイトはリスクを減らすために基本的には在庫を持たず、自分がセレクトした本当にいい商品だけを紹介して、注文が入ったらメーカーから直接発送してもらうシステム。ただし、超オススメ商品だけは、迅速にお届けするために、あえて在庫を持つことにしています。このバランス感覚が素敵ですね。


現在は一大ECサイト(インターネット上で、商品やサービスを販売するウェブサイト)として大成功していますが、成功の秘密は、「子どもに安心なものを与えたい。そして、周りの人にも教えてあげたい」という美帆さんの思いを、うまく「ひとりビジネス」に昇華したこと。それが、たくさんのママの共感を呼んだのです。


 もうひとり、具体例をご紹介しましょう。


Fさんは、あるビジネスで大成功しています。自分が大好きな本を読んで、要点をまとめ、感想もつけ足して、週に1回、有料メルマガを配信するというビジネスモデルです。「この本は役に立つはず」と思う著作を要約し、紹介するのです。Fさんのメルマガは、本の各章ごとに大事な部分のダイジェストを紹介するサービスが受けて、月額500円で、1000人以上の購読者がいます。「時間がなくて本が読めない。エッセンスだけでも知りたい」というビジネスパーソンは、たくさんいるのです。


このビジネスモデルをマネて有料配信している友人を、Fさん以外に5人ほど知っています。どのメルマガも、350人から1200人くらいの購読があります。もちろん継続しているから、徐々に人数がアップしていったわけですし、人によって収入にばらつきもありますが、自分の好きな本や雑誌を読んで、それが大きな収入になるなんて、本当に素晴らしいと思いませんか?


このおふたりのように、オリジナル商品であるかどうかよりも、「みなさんのお役に立てる商品かどうか」のはうがよっぽど重要なのです。100%何から何まで自分ひとりのオリジナル商品を作り出そうと考えないことです。「他人のいいものを紹介してあげる」という視点を変えた逆の発想を持てば、商品はいくらでもあります。


また、「ひとりビジネス」実践者同士で、コラボ商品を作るという手もあります。もしあなたが文章を書くのが得意で、周りに人の話を聞くのがとても上手な人がいたとしましょう。そうすれば、書き手と聞き手を分担して、「あなたの半生・自分史を文章にまとめます」というかなり魅力的な商品を作ることだってできます。


企画書を作るのが得意なら、イラストが上手な人とコラボして、「あなたの企画を世界に1つのイラストつき企画書に仕立てます」という商品を作ることもできます。コラボ商品は、ふたりで作っても、3人とか5人で作ってもまったくかまいません。不思議なもので、誰かとコラボしたほうが、ひとりで黙々と商品を作るよりアイデアも出ますし、モチベーションも上がります。何より、複数人で進めるプロジェクトは早く商品化しようとするエネルギーが作用し、形になるのが格段に早くなります。コラボ商品は同じ価格で、どちらの人も白山に売れるようにするのがコツです。


こんなふうに考えていくと、商品が作れない人なんていないと思いませんか?常に「商品化できないか?」という意識を持って頭を働かせていれば、たいていのものは商品として販売できます。この前向きの意識を、けっして忘れないようにしましょう。


オリジナル商品に、こだわりすぎない。

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