関節リウマチ、どんな薬より「笑い」が効いた

㊥木久蔵師匠に患者さんも大爆笑 具体的な疾患に対する「笑いの効用」をみでみましょう。 関節リウマチ。これは、なかなか治りが悪く、慢性化して患者を苦しめます。 それがなんと落語を聴いただけで症状が改善したのです。驚くべき結果です。 日本医科大、吉野横一教授が行なった臨床実験で、対照A群は発病して平均19年という患者26名(平均年齢58歳、全員女性)。B群は、健康な女性26名。 さて、合計52名に、落語を聴いてもらいました。高座に上がるのは人気落語家の林家木久蔵(現・木久扇)師匠。吉野教授は「効能」を計る目安として、①気分の程度、②神経症の程度、③痛みの程度、④神経系、内分泌系、免疫系への影響……をリストアップ。 落語を聴く前の①~④項目調査で、以下のことがわかりました。 A患者グループは、B健康グループにくらべて、「神経症ぎみ」「抑うつ症状状態」「強い緊張感」「異常な免疫反応」「炎症が高まり」「痛みを強く感じていた」。

さて、実験の落語会当日、会場は寄席というわけにはいかず、病院の臨床講堂。吉野教授らは紅白の幕を張り、壇上は金屏風と、さながら寄席の雰囲気にしつらえた。さて、テープの出嚇しに乗って木久蔵師匠が登場……とテープが途中で止まった。師匠はずっこけた。思わぬハプニングに会場は大爆笑。それが、いいツカミとなり、噺が始まるや爆笑につぐまた爆笑‥…・。
㊥どんな高価な薬より劇的効果あり 高座が終わると全員に「どれだけ面白かったか?」などの質問項目を尋ねた。 その結果、A患者グループは、「気分」「神経」「痛み」が見事に改善されていた。さらに、ストレス物質コルチゾールが、A患者グループで激減し、基準値範囲に治まったのです。 さらに、関節リウマチを悪化させるインターロイキン・6の値が劇的に下がっていました。「現在あるどんな薬を使っても短時間でこれほど数値を下げることは不可能です」(吉野教授) っまり、「笑い」は、どんな高価な医薬品よりリウマチにめざましい効果を発揮することが証明されたのです。「インターロイキン・6は、炎症促進作用があり、リウマチ患者では大量に分泌されるため症状が悪化するのだ。落語を聴いた後、リウマチ患者さんの、この数値が急減したことに吉野教授は、『笑いにはク名医″のような働きがある』と自信を深めた」(『笑いの免疫学』前出)㊥笑いは乱れた機能を正常にもどすさらに 吉野教授は2003年、4回目の笑い実験にチャレンジ。そこではリウマチ炎症の「抑制物質」に着日した。やはり、落語を聞かせると患者に劇的変化が起こった。その炎症の「抑制物質」が「笑うと増加する」ことが確認されたのです。それも、増加変化は「炎症の程度が高いほど、顕著に現れた」。つまり、「笑い」 は炎症を悪化させる物質は減らし、炎症を抑制する物質は増やすという絶妙の効果が立証されたのです。吉野教授は、感動をこめてこう記しでいます。「楽しい笑いは、乱れた機能を正常にもどす。それぞれの機能が円滑に動くようにして炎症などに立ち向かう。そして、基準値以上の過剰な働きはしない。そこが、薬とちがう」 だから、「笑い」には薬とちがい、まったく副作用は存在しない。 なんという大自然の恩寵でしょう!

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