<h3>断食すると若返り遺伝子19個がオンになった</h3>
「豊かな食生活は死期を早める。老化を促進する」(『人は食べなくても生きられる』山田鷹夫君、三五館)
断食は遺伝子を活性化する。その典型が長寿遺伝子(サーチユイン)です。カロリー制限で発現し、老化を防止する。その存在の発見は、古代から続くヨガの教えを裏づけるものでした。さらに少食でその他の遺伝子も若返ることも証明されています。米カリフォルニア大学のS・スピンドラー教授によるマウスの実験で19個の遺伝子が「若返る」ことを証明しています。
人間でいえば約90歳に相当する老齢マウスに対して、それまで一匹あたり1週間で95キロカロリーのエサを与えていたものを、2週間は80キロカロリー(84%)に減量。続く2週間はさらに53キロカロリー(56%)に減量したのです。この4週間の少食実験で、マウスの19個の遺伝子が若返ったのです。これら遺伝子は、すべて老化現象を防ぐ遺伝子ばかり。だから、広い意味で〝長寿遺伝子″の仲間といえます。
<h3>断食は眠っている遺伝子を起こす</h3>
断食は眠っているその他多くの遺伝子を呼び起こすこともできるのです。たとえば1996年、英国エジンバラのロスリン研究所で、世界初のクローン羊”ドリー″が誕生しました。それは体細胞クローンと呼ばれ、他の羊の乳腺細胞を分化させ、培養して、代理母の子宮で成長させたものです。これは体細胞があたかも最初のク受精細胞″に戻ったのと同じ現象が起きたからです。それを「初期化」といいます。その操作で使われたのが〝断食〟です。乳腺細胞を培養する数週間のうち1週間だけ培養液の養分濃度を20分の1に激減させ、細胞に”断食〟させたのです。すると、なんと飢餓ショックで、それまでオフになっていた遺伝子が起こされてオンになり、体細胞の形成、増殖が始まり、最後は一頭の羊へと成長したのです。断食とは、それほど生命に劇的変化をもたらすのです。
われわれが断食をする場合にも、オフになっている遺伝子をオンにしている可能性があります。断食をすると体質がガラリと変わったり、難治の病気が治ったりするのは、遺伝子治療と同じようなことが行なわれている、とわたしは考えます。難病が劇的に変化することなどから、オフになっていた遺伝子を切り換えてオンにする可能性があるということです。
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