ファスティングの基本のキ「食うな!」病気治しは野生動物を手本に

「食うな!」病気治しは野生動物を手本に
㊥代謝酵素を働かせ消化酵素を休ませる
「病気のときは食べないほうがよい」彼も少食こそ治療の決め手と強調しています。
「人間は、食べ過ぎたときに記憶が悪くなったり、足先と首のうしろから冷たくなるのは、血流が胃と腸に充満し、ほかに行きにくくなるからです。野菜、果物など消化に負担をかけない食事こそが健康への道なのです。病気になった人は、とくにそうです。体は、こう訴えかけているはずです。『今は病気と戦っていて代謝酵素が大忙しです。消化酵素を無駄遣いしないでください』」
 鶴見医師も野生動物の病気治しに着目しています。巣穴で何も食べずに自然治癒力を最大限に働かせる。その智恵を評価しているのです。また、甲田医師と同様「一日二食で健康になる」と断言しています。「昔の人は大食の恐ろしさを十分に認識していた」と江戸時代の『養生訓』の著者、貝原益軒の言葉「腹八分に医者いらず」を引きます。
「彼が生きた江戸時代初期の食事は、一汁一業の質素なものでしたから、現在とは、質、量ともに大きく異なります。現在の食事に当てはめれば、腹七分でも多すぎで、腹六分くらいが妥当」と言います。もともと日本人は一日二食で、日本だけでなく、アジア、欧州でも一日二食の時代が長かったのです。日本で一日三食が一般化したのは都市部では江戸時代中期になってから、農村部では明治以降といいます。

㊥朝食は食べないほうがよい
どうも「たくさん食べさせよう」という何らかの〝意志″がそこには働いているようです。あのク”代栄養学の父”フォイトがドイツ国民に必要量の約2.5倍もタンパク質(肉等)を食べろと”勧告″したことと通じます。その背後に食肉産業の思惑が存在したことは間違いないでしょう。
「一日の生理リズムから見ても『排泄』の時間である朝は、食べなくてもかまわないのです。夜7~8時頃に夕食をすませ、翌日の昼ごろまで食べなければ、16~17時間は消化管を休ませることができます。どうしても朝食をとりたければ、酵素たっぷりの生野菜や果物だけで十分です。これなら排泄を助けます」 (鶴見医師)
㊥腸毒素、細胞便秘を追い出す鶴見式
鶴見式断食は、まず徹底的に腸の汚れ(毒素)を排毒することです。
「ファスティングがいい理由は、腸の汚れを回復するからです。現代の日本人は先進諸国の人々もですが、腸が非常に汚れています。それはガンや心臓病、脳卒中、糖尿病などの生活習慣痛が急増し、アトピーや花粉症などのアレルギーが蔓延していることでよくわかります。腸の汚れは、血液を経て、細胞の汚れに直結するため、全身100兆個の細胞には毒素が相当に溜め込まれているのです。その毒素とはコレステロールや垢(プラーク)、中性脂肪、カビ(真菌)、病原菌、それに白血球の死骸などです」
「これは細胞の一つひとつに宿便が溜まっているようなもので、こんな毒素だらけの細胞で健康が維持できるわけがありません。私はこのようになった細胞を『細胞便秘』と呼んでいますが、その細胞便秘は、肥満や万病の元になります」(『「酵素」がつくる腸免疫力』大和書房)

㊥①植物食、②全体食、⑨生食‥酵素食のすすめ
さらに、カロリーは控えても必要な栄養分はあります。それは①プラントフード(確物食)、②ホールフード(全体食)、③口-フード(生食)。「食べる順番も重要」といいます。
「食事はサラダから始めます。生野菜、果物は酵素も多く、事前消化があるため、消化も早く胃のなかを30分ほどの速さで通過します。消化管という一本の通路を渋滞させることなく、スムーズに流れていきます」 (鶴見医師)
そこで酵素を上手に摂る方法があります。
▼ジュース‥しぼりたてを飲みます。高速ジューサーは摩擦熱がかかりジュースが酸化してしまいます。低速ジューサーがおすすめです。飲み方も、①胃が空のときに飲む。②噛むように飲む。③食物繊維と一緒に。④果物と野菜を混ぜる。▼すりおろす‥野菜・果物はすりおろすと、細胞内の酵素も摂ることができます。酵素量は2~3倍以上も摂れ、消化吸収もスムーズになります。酵素は皮の部分に含まれるので、皮ごとすりおろします。野菜なら大根、果物ならリンゴがすりおろしにおすすめ。その他、山芋、ニンジン、ショウガ、キュウリ、セロリ、カブ、ニンニク、レンコン、タマネギもすりおろしレシピに加えましょう。おろし金は酵素が活性化しやすい金属製がベストです。ジュース同様、おろしたらすぐ食べます。▼発酵食品‥「発酵」とは「酵素を発する」現象です。日本は発酵食天国です。味噌、しょうゆ、納豆、酢、漬物などなど……。日本人の長寿は漬物のおかげ、という説もあるほど。
「……なかでも、納豆は世界に誇る健康食品です。発酵の過程でアミラーゼやプロテアーゼ、リパーゼなどいくつもの消化酵素が生み出されますが、すばらしいのは納豆菌が作り出すタンパク質分解酵素の一種、ナットウキナーゼです。ナットウキナーゼのネバネバ成分には、脳梗塞や心筋梗塞の原因になる血栓を溶かす力があります。近年、納豆にはリゾチームという病原体溶解酵素が含まれていることがわかってきました」 (鶴見医師)
㊥三日断食でウォーミングアップ
 風邪を引いたら、まさに「食うな」「動くな」「寝てろ」です。
「風邪だったら、簡単ですね。断食で100%治ります。頭痛はいろいろある。頑固な偏頭痛の患者を診たことがあります。脳をCTで撮っても何もない。抗頭痛薬を飲んでも全然ダメ。頭痛の原因は腸でした。腸内は毒素だらけだった」 (鶴見医師)

そこで腸内で電玉菌を増やすため断食療法を開始。この場合はとても三日断食では無理。鶴見医師によれば断食で体細胞が、新しいものに入れ替わる時間は、消化器が比較的早い。しかし、それ以外の臓器は交替期間が長い。
「一番大事なことは腸の毒を抜くこと。腸に悪玉菌がいて、その毒素が肝臓に入って全身にバラまかれている。それをなんとかしなければいかん」 (鶴見医師)
いわゆる「腸毒」を除くには、三日断食はウオーミングアップ。頑固な頭痛持ちも原因は「腸毒」 から来ています。
「軽い頭痛なら三日断食でもいいけど、3日というのは入り口です」(鶴見医師)
 少しずつ酵素栄養を入れて、身体全部の細胞を入れ替えなければいけないのです。

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