㊥他の遺伝子を〝傷〟から守る 長寿遺伝子の発見……! これほど抗齢学(アンチ・エイジング)で画期的な発見はありません。 それまで老化を抑制する遺伝子の存在は知られていました。それを、はっきり発見し、立証したのはレオナルド・ガレンテ教授(マサチューセッツ工科大学‥MI↑)。教授には『不老への探求』という著書もあります。彼は発見した長寿遺伝子をクサーチユイン‥Siきi已″と命名しました。最初の発見論文は科学誌「セル」(オンライン版)に掲載され大反響を呼びました。このサーチユイン遺伝子の活性化で「線虫の寿命が2倍になった」のです(同論文)。 その後、長寿遺伝子のメカニズムの解明も進んでいます。
なぜ、長寿遺伝子がオンになると、老化が防げるのか? それは、長寿遺伝子は、他の遺伝子を「ク傷″から守る」働きをしているのです。「老化」とは早くいえば「遺伝子の〝傷Lが原因で起こる「肉体の変化」です。 わたしたちの命の根源である遺伝子は、ふだんの生活の中で常に「活性酸素」や「紫外線」などで”傷〟を負っています。その遺伝子の”傷″が細胞分裂とともに各細胞にひきつがれていく。こうして肉体は衰えていきます。300項目もあると言われる「老化マーカー」の指標も「若」から「老」に変化していきます。それは、命の宿命でもあります。 しかし、避けられないとはいっても、遅くすることはできます。㊥過食では遺伝子保護層ができない 身体にも老化を防ぐメカニズムが備わっていました。長寿遺伝子の存在です。 それは、他の遺伝子を「活性酸素」や「紫外線」から保護して、傷つかないようガードするのです。長寿遺伝子は、常に他の遺伝子をク傷″から守る「酵素」を出しています。カロリー制限すると、その「酵素」が、働きを助ける「補助物質」と合体して、保護活動を開始します。すると、すべての遺伝子の「連結が強化」され、老化原因の「活性酸素」や「紫外線」をはねのけク傷″から守られるのです。これが長寿遺伝子が老化を防ぐメカニズムです。 つまり、カロリー制限で長寿遺伝子の働きがオンになる。 ところが過食で「カロリー過剰」の場合、その「酵素」を助ける「補助物質」が、大きくなり過ぎて合体できない。よって、「酵素」は遺伝子保護ができなくなります。こうして遺伝子は「活性酸素」や「紫外線」の攻撃にさらされ、ズタズタに傷つき、老化が加速されるのです。 長寿遺伝子はクサーチユイン″だけではありません。 これまでに約50種類もの長寿遺伝子が確認されています。 これからも、さらに長寿にかかわる遺伝子は発見されるでしょう。 たとえば、米カリフォルニア大のS・スピンドラー教授は、マウス実験で「少食」で遺伝子が19個もク若返る″ことを、発見しています。それらは①炎症、②ストレス、③代謝異常、④遺伝子異常、⑤発ガンなどによる老化を防ぐことが証明されたのです。 甲田医師の証言は、それを裏付けます。「甲田医院では、少食療法を実行された患者さんたちの中で、白髪が目に見えて黒くなってきたとか、いったん止まったまま、なかった月経が復活して若返った方が少なくありません」「これら患者さんたちの肌の色もつやつやして、いかにも女性ホルモンがよく分泌されていると思われます」 (『少食の実行で世界は救われる』 三五館)
これらク若返った″遺伝子も、長寿遺伝子の一種と考えられます。
コメント