<h3>身のまわりは危ない毒物だらけ</h3>
ここでも「INとOUTの法則」が働きます。生命体は体内に入った異物を体外に排泄する働きがあります。それは一つ一つの細胞も同じです。侵入してきたものが毒物だったらなおさらです‥ファスティングは生命体の「排毒作用」を加速するのです。体内から毒素を追い出す。そのためにはまず、入ってくる食べ物をいったんストップする必要があります。電車の乗り降りと一緒ですね。乗客をいったん降ろしてしまわないと車内の清掃はできません。
現在、わたしたちの身のまわりは、さまざまな毒物であふれています。まずは医薬品。「クスリは毒だ!」という真理を忘れてはいけません。体毒で病気になる。そこに、薬毒を加えれば、毒は二倍になります。病気が治るはずがありません。当然、悪化します。その意味からも現代医学の 「薬物療法」は根本から誤まっているのです。
さらに、農薬や食品添加物などの有毒な合成化学物質、その他、水や空気などの汚染物質……。盲点は住宅です。大手ハウスメーカーの住宅は化学建材まみれです。そこから有毒なVOC (揮発性有機化学物質)が揮発して室内にたちこめています。
さらに盲点は合成洗剤や化粧品、シャンプー、整髪料などの類いです。これらはすべて 「経皮毒」 です。皮膚を通じて体内に侵入してきます。市販の合成シャンプーをネズミの背中に塗布する実験があります。すると脱毛して皮ふはただれ、3分の1のネズミが血を吐いて死亡しています (三重大医学部、坂下博士実験)。
シャンプーやヘアケア商品の正体は、抜け毛やただれを促進する恐るべき皮ふ毒物なのです。抜け毛、枝毛、ハゲ、白髪が増えるのもあたりまえです。それでも、ムードたっぷりのテレビや雑誌のサギCMにだまされ、消費者は使い続けています。これら身のまわりにあふれる毒物を、環境毒といいます。ファスティングは体内にたまった環境毒を排毒してくれるのです。いわゆるデトックス作用です。
<h3>排泄へのジャンプ。断食で尿中に大量の農薬が排泄された</h3>
甲田医師は、断食による農薬「排毒効果」を実験で証明しています。高度経済成長期には、全国で有機塩素系農薬が大量に使われていました。その代表が劇薬(殺虫剤)BHCです。それは体内に入ると脂肪に蓄積されました。「脂肪にいったん沈着したら、何年も出てきません。その時代に生きた多くの日本人に毒物であるBHCが、まだ体内に蓄積されていることでしょう」(甲田医師)
1973年、甲田医師は神戸大学医学部の喜田村教授(公衆衛生学)と共同研究で、断食によるBHC排毒効果を実験しています。その結果「断食をすると、尿中に大量のBHCが排泄されることがわかったのです」 (甲田医師)。ファスティングにより体脂肪がケトン休に分析され、内部に潜んでいたBHCが排毒されたのです。その他、環境毒として環境ホルモンのダイオキシンやビスフェノールA (プラスチック添加物)などが体内に侵入してきています。
「胃腸の働きが弱い人はもちろん、食べ過ぎて 『宿便』 をためこんでいる人では、体内に侵入した環境ホルモンを排泄する力は低下しています」(甲田医師)それは、やはり脂肪に入ると容易には排泄されません。しかし、甲田医師はBHC同様にファスティングで排毒できる、と考えています。脂肪を”燃焼″させれば、沈着していた毒素は尿や便によって体外に排毒されるのです。
すでに「生野菜やクロレラなどたくさん食べるとダイオキシンが排泄される」 ことが証明されています(九州大学等の研究報告)。いわゆる食物繊維による排毒効果です。断食の排毒効果に食物繊維はさらにプラスになりそうです。
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