ファスティングの効果実例はまだまだある!ガン・心臓病は半分以下、糖尿病はゼロ

㊥腹七分サルは外見も若々しい
▼サル(アカゲサル)‥膿七分サルの生存率1・6倍(ウィスコンシン大学報告)。
 これは米、ウィスコンシン大研究チームが行なった20年にわたる実験です。 科学雑誌「サイエンス」(09年7月10日)に発表され、世界的な話題になりました。その結果も衝撃的です。実験開始から20年、カロリー制限しなかった(B)群は半分が死んでしまったのに対し、腹七分に制限した(A)群は8割が生きています。生存率は1・6倍です。 研究チームは、実験したサルの映像も公開しています。
 A‥「カント」(オス27歳)‥カロリー制限あり(70%)(446キロカロリー) B‥「オークエン」(オス詣歳)‥カロリー制限なし(100%)(591キロカロリー)
ヒトなら80歳近くに相当する高齢サルです。両者の違いは一目瞭然です。ほぼ、同じ歳なのに、A‥「カン上は若々しく、しわがない。肌のつやもいい。毛並みもつやつやしている。これに対して、B‥「オークエン」は、しわがある。毛もパサパサし、不揃いで、こしがない。さらに
A「カント」は、取材テレビのカメラに興味を示し、俊敏に動きまわり、目にも力がある。それに対してB‥「オークエン」は、大儀そうで、ほとんど動かず、生気がありません。「2頭のサルは同じ年齢とは思えない。見た目もそうだ。さらに運動能力など多くの面で肉体年齢に5歳から8歳ほどの開きがあると思える」(実験主任リチャード・ウィンドラック教授)
㊨20年の実験が証明した少食効果
このウィスコンシン大の研究は、サルを使った抗齢学実験として、最も大がかりなものといえます。1989年、実験スタート。対象のアカゲザルは76頭。研究開始時点で、これらサルたちはすでに成体(7~14歳) でした。 まず、サルたちをクジ引きで各々詣頭ずつ (A) (B) 2群に分けました。
(B)群サルたちには、エサを制限なく食べさせました。(A)群は、それより30%カロリーを減らしたエサを与えて飼育したのです。 こうして観察は延々20年間も続けられました。飼育されるアカゲザルの寿命は、通常27年くらい。よって開始から当然、亡くなっていくサルもいます。

20年後、生存しているサルを調べてみると飽食群(B)のサル‥約半数が死んだ。それも全体の37%(14預)が、ガン、糖尿病、心鹿病、脳萎縮など老化に伴う病気で息を引き取った。少食群(A)のサル‥80%が生存していた。生存率は(B)の約1・6倍。加齢にかかわる病気で死んだのは13%(5頭)。これは飽食群(B)の約3分の1という少なさ。ウィンドラック教授は、こう結論づけています。
「低カロリー食が寿命を伸ばし、歳をとったときの『生活の質』(QOl‥Qualty Of Life)も向上します。加齢にともなう病気の発症や生存率の増加をみると、カロリー制限が強い影響を持っているのは明確です」
▼ガン・心鹿病‥膿七分で発症率、2分の1以下 とくに研究チームが注目したのが、ガンと心臓病の発生です。(A)腹七分サルは、食べ放題の(B)腹十分サルに比べて「ガンと心疾患の発生率が半分未満に激減していた」(同論文)。つまり、あなたがガンや心臓病で死にたくなかったら「少なくとも腹七分がおすすめ」ということになります。
▼糖尿病‥少食サルに糖尿病死はゼロだった 腹七分は、糖尿病予防にも劇的効果をあげていました。節食の (A)群サルには「糖尿病や血糖値の調節異常は、発見されなかった」 (同論文)。ウィンドラック教授は「カロリー制限は、糖尿病の完全な予防になっている」と断言しています。ここでも糖尿病の原因はク飽食″であることが立証されました。予防法は治療法でもあります。「食べなきゃ治る! 糖尿病」だから、糖尿病患者の治療にファスティングが劇的効果を発揮するのも、また当然なのです。
 ▼脳機能‥カロリー制限で脳機能も良好
 老化は認知症や脳萎縮(アルツハイマーなど) の脳機能低下をともないます。しかし、カロリー制限した (A)群は、脳機能もじつに良好でした。研究チームは比較実験で証明しています。
「(A)腹七分群は脳萎縮や筋力低下が少なかった。サルたちの作業能力を実験したところ、(A)群では脳の領域において記憶が必要な作業や、問題の解決能力も比較的よく保たれていた。(同論文)これは、逆にいえば飽食組 (B) 群のサルたちは、知的能力が低くなっていたことの証明でもあるのです。(B)群の食い放題のサルたちは、(A)群の2倍以上もガン・心臓病で生命を落とし、糖尿病で苦悩し、認知症や脳萎縮で早老化していったのです。
多く食べるか? 少なく食べるか? その違いだけで、これだけ人生(猿生-・)に、大差がついてしまったのです。 まさに、無知ほど悲しい、愚かしいものはありません。

㊥性能力が高まり若々しくなる
 さらに、ウィスコンシン大チームは、(A)腹七分サルたちの生理指数(パラメーター)の変化を観察しています。すると興味深いことがわかりました。カロリー70%に制限すると……「体重」「脂肪量」「血圧」「心拍数」「血清中脂肪」「酸化ストレス」「代謝速度」「体温」などがク減少″しています。これらは、老化とは逆の健康状態に近づいている証しです。一方で「性成熟」「骨格形成」「代謝速度」(長期)、「善玉コレステロール」「聴覚反応」などはク増加″しています。これらはカロリー制限が、性能力を高め、骨太の身体を作り、若々しい感覚を与えることを証明しています。このウィスコンシン大研究チームの執念には頭が下がります。さらに、驚いたのは20年間の実験報告は、あくまで「中間報告」である、ということです。彼らは、さらに15年間、実験を続行するというから、ただすごいの一言です。ほかにもカロリー制限が大きく寿命をのばすことを証明した実験論文は数多くあります。
㊥カロリー3割でも1・7倍生きる
▼マウス(メス)‥膿三分でも寿命が1・7倍にのびた(米国老化研究所リポート)。 これはカロリー制限を30%にまで減らしたネズミの実験です。いわば腹三分です。まさにヨガ行者なみですね。はたして、それで生きていけるのかと心配になるでしょう。ところが腹三分ネズミも平均1・7倍も生きたのです。
▼ (A)少食群(膿三分)‥平均寿命は50カ月。▼ (B)飽食群(膿十分)‥週あたり約140キロカロリー摂取。平均寿命は30カ月弱。 両者の平均寿命を比較するとA‥50カ月、B‥30カ月弱。腹三分のほうが1・7倍も長生きしていることに驚きます。さらに、A少食群の最大寿命は60カ月弱まで生きています。これに対してB飽食群は最長でも40カ月弱です。最長寿命ですら少食群は1.5倍を誇るのです。一部の抗齢学者は、カロリー60%以下の少食に否定的です。栄養不足を恐れているのです。しかし、カロリー30%でも1・7倍と同様に寿命をのばすのです。これは人間でいえばほぼ一日一食に相当するでしょう。A、B両者を比較すると体重に大きな差がみられました。B‥飽食の短命群は平均50グラム。それに対してA‥少食の長命群は平均20グラムでした。なんと4割の体重です。人間でも長寿者に小柄な人が多いことが知られています。これは、体格が大きく、体重が重いほど短命の可能性を示唆しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました