和食こそベスト!「マクガバン報告」に学ベ

和食こそベスト!「マクガバン報告」に学ベ
㊥文明国の食事は間違っていた
 では、いったい何を食べたらいいのか?健康で長生きするための理想の食生活とはなんだろう。だれでも知りたいはずです。そのために指針(ガイドライン)が必要です。その手引きとすべき2つの研究があります。それが「マクガバン報告」と「チャイナ・スタディ」です。「マクガバン報告」は1977年、アメリカで発表された「食事と健康」に関する大々的な調査報告です。正式名称は「米上院栄養問題・特別委員会報告」。この調査は民主党カーター政権下で実施されました。研究調査の指揮を執ったマクガバン上院議員の名前から通称「マクガバン報告」(Mリポート)と呼ばれています(邦訳『いまの食生活では早死にする』経済界)。「われわれは、まったく馬鹿だった。何も見えていなかった!」
 これはM委員会メンバーの一人、ケネディ議員の嘆きです。この報告書は5000ページ以上という膨大なものです。当時「人類史上で最大の『食事と健康』調査」と絶賛されました。

アメリカが国家をあげて実施した空前絶後の研究報告なのです。ところが、その報告書は、反省と悔恨という予想外の言葉で埋め尽されています。
「先進諸国の食事は、まったく不自然でひどいものになっていた」「そのことに、だれ一人、気づかなかった」「われわれは、即刻、食事を改めなければならない」
 Mリポートの内容は、欧米人の食生活や栄養学を根底から打ち砕く内容に満たされていました。すなわち、彼らが〝豊か″と信じ、誇りにし、実践してきた欧米風の食事が根本から誤っていたのです。
㊥〝5高食〃から〝5低食〟のすすめ
「アメリカ人に多い心臓病、ガン、糖尿病、高血圧、脳卒中、肥満、さらに精神病も誤った食事が原因である」 (Mリポート)
 欧米人が正しいと思ってきた食事を一言で言えば〝5高食″です。それは、①高カロリー、②高タンパク、③高脂肪、④高砂糖、⑤高精白……の食事です。その根底には「良い物に食べ過ぎるということはない」という近代栄養学の祖、フォイト栄養学があります。しかし、5000ページの「マクガバン報告」は、その栄養学の迷妄を180度、覆したのです。それは”5低食″こそ、アメリカ人の病気を改善し、健康を保証し、長寿を約束するというのです。つまり、①低カロリー、②低タンパク、③低脂肪、④低砂糖、⑤低精白……の食生活です。
㊥食事を半減すれば病気から解放
 M委員会は、次のように提言しています。
「アメリカ国民は20世紀初めの食生活に戻れ!」
 それは、まさに健康と長寿によい ”5低食″だったのです。このような食事改善でアメリカ人の健康は劇的に改善します。M委の提案は「アメリカは食べる量を半減せよ」、すると「悩みの肥満、ガン、心臓病、糖尿病などから解放される」というものでした。それは、まさに長寿遺伝子などの発見で、現在、提言されているカロリー制限の食生活とまったく符合します。M委は、その結果もたらされる具体的な数値もあげています。

▼ガン‥発生率も死亡率も20%減らせる。▼心鹿病‥発症率も死亡率も25%減らせる。▼糖尿病‥約50%減らせる。(または約50%症状改善)。▼肥満症‥約80%減らせる。
 こうして「医療費も3分の1節約できる」 (Mリポート)。
㊥理想的な食事は日本の伝統食
 どうしてアメリカを初めとする ”文明国”はこのような惨澹たる結果になったのでしょう?
「アメリカの医大で栄養のコースを必須科目にしている大学は、わずか4%しかない。全米の病院では2分の1から4分の1の病院が入院患者に栄養学的に間違った食事を与えでいる」「医者は、真の栄養学を知らず、彼らが知っでいた近代栄養学は根本から間違っていた」。
 Mリポートを翻訳、日本に紹介した医事評論家、今村光一氏は呆れます。M委も、強くこう結論づけています。
「先進諸国の医者も、栄養学者も、だれもが、ほんとうに単純なことに気づかなかった」「医者の再教育が必要だ!」
 5000ページものMリポートの結論は、意外なものだった。
「世界で、もっとも理想的な食事が存在する。それは日本の伝統食である」
 この一言を、わたしたちは心に刻み、先祖に感謝し、誇るべきです。
㊥Mリポートを圧殺したアメリカ経済界
 ここまで読んで「マクガバン報告」なんて聞いたことがなかったという方も多いはずです。なぜなら、日本のマスメディアは、この史上空前の栄養調査報告を、完全に黙殺したからです。それは日本の食品業界にとって〝不都合な真実″で満たされていたからです。大手食品業界は、マスコミにとって大切なスポンサーです。「スポンサーは神様」。よって、神様の機嫌を損ねるような情報は黙殺、隠蔽する。それが情報ビジネスの基本姿勢です。それは、国外でも変わらない。同様に、アメリカ国内で、Mリポートが熱狂的な支持で迎えられたかというと、そうではなかった。社会の反応はまったく逆でした。まず、日本と同じように、メディアはほとんど黙殺しました。

また。食品業界や農業団体、医療業界は、Mリポートに猛烈に反発しました。食べる量を半減すれば、売上げも半減するからです。病人が激減すれば、医療利権も激減します。 こうしてアメリカ経済界は、こぞってMリポートに反発し、全米に「マクガバンを落とせ!」のネガティブ・キャンペーンが展開されました。こうして、民主党の大統領候補でもあったマクガバン上院議員は、政治生命を断たれたのです。そのク罪状″は「アメリカ国民の健康を心底から‡え、改善を訴えた」 ことなのです。だからアメリカ国民の大半は、いまだMリポートの存在すら知りません。人間とは、なんと愚かな悲しい生き物なのでしょう……。

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